個人的には、そろそろ今年のラップ・アップを行わないといけないなと思いつつもそれなりに充実した日々を過ごしているところです。
その中でも例年と違うなと思うのは、Blogを毎日連続でほぼ1年近く書いていること。
やはり、自分の考えの全てではないですが、日々考えていることを言語化すると学びは深化しますし、何らかのシナジーは生まれるような氣がしています。
さて、今日は今年読んだ書籍の中でも群を抜いて優れていると思う一冊である、オートポイエーシス理論の提唱者であるファンシスコ・ヴァレラ等によりかかれた「身体化された心(The Embodied Mind)」について少し書いてみましょう。
「身体化された心」は、MIT Sloan School of Management の教授である、ピーター・センゲ氏、オットー・シャーマ氏が創り出した「U理論」のもとになっている理論でもあります。
http://tritune.seesaa.net/article/101315033.html
内容はといえば、中観派の仏教の祖であるナーガールジュナの体系化した「空」の認識学的プロセスを最新の認知科学を使って、心(Mind)と身体(Mind)の一元論でも二元論でもない新たな視点から体系化を試みた意欲作と考えれば良いのでしょう。
ヴァレラの立場は、モーリス・メルロ=ポンティの考えを採用し、西洋の科学文化は、物理的な身体観だけではなく生きられる身体観、つまり「外側」と「内側」を合わせ持つ、生物学的であると同時に現象学的な身体観に至るべきだという視点から語られています。
確かに本書では小難しいことを言っているようにも聞こえますが、結局、認知の主体として自分の体を心と切り離すことはできないわけですし、体を介して何か我々が外の世界に働きかけを行う場合には、まず自分の内側の世界を充実させて意識のレベルをあげていくことが必要だということなのでしょう。
http://tritune.seesaa.net/article/101251346.html
結局、リンクにも書いた「U理論」が従来のメソドロジーと異なっているのも、外の世界への働きかけを行う前にまず、自分の内的世界に働きかけMindfulness(三昧)の境地を目指しなさいということなのでしょう。
これは、ヴァレラの「身体化された心」とは直接関係はありませんが、普段この Blogでも書いているNLP(Neuro-Linguistic Programming)が、外的世界に働きかけを行う前に、内面のState を重視することとも大いに関係がある概念だとも言えるのでしょう。
結局、従来のロジカル・シンキングについても、ビジネス上のフレームワークにしても、ファシリテーションのメソドロジーにしても、その活用者もしくは被活用者の心の動きとそれを動かす身体にまで注意を払いなさいということが明示的に語られてはおらず、スコープの外ということになってしまっていますから、ともすると自分の内的世界は関係なしに外の世界が切り離された事物だと考える誤りに氣づくということは非常に重要なことなのでしょう。
そして今日の学びは、
| 外的世界への働きかけを考える場合に、 自己を投影した外的世界と、外的世界の投影としての自己 という (サイバネディックス的)循環を考える必要がある。 そして、外的世界の変化に合わせて、内面の変容や充実も循環している。 |
ということなのでしょう。
そして、話のスコープとしては少し飛躍するのですが、以下にも繋がってくるのでしょうし。
http://tritune.seesaa.net/article/108038182.html
メタ・コーチングの変化軸モデルの創造軸では、「U理論」をそのまま使ってもいいのかもというアイディアが沸いてくるわけなのです。
P.S 元々、「身体化された心」の研究は、GM関連のアルフレッド・スローン財団が資金を提供して実施されたようですから、今回の経済危機でGMが無くなってしまうとこういった基礎研究に対する資金も危機なのかもしれません。
もっとも、こういった財団の覇権も製造業からITなどにシフトして、これからは、マイクロソフト関連のビル・ゲイツ財団がお金を出してくれれば問題がないのかもしれませんけれども。
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